ランチェスター戦略とは、主に軍事での戦略を定量分析(数字データを分析し、最適解を導き出す)と言う手法を使い軍事のみならずビジネスの場面での最適解を見つけ出すと言うものです。軍事やビジネスの例を使ってこのランチェスター戦略を解説していきたいと思います。

第二次世界大戦の日本とアメリカ

第二次世界大戦で、日本とアメリカがとった戦略は異なっています。結果として、数で勝ったアメリカが勝ちましたが、まさに日本の戦術がランチェスター戦略に基づくものでした。アメリカはB29高性能爆撃機を使い、日本軍の戦闘機の遥か上を飛行し、爆撃することが可能でした。そして、たくさんの爆弾と燃料の搭載が可能でした。そして海上では、アメリカ軍の戦艦がいたため、海上と空の遥か上から挟まれる形で、日本軍の空からの攻撃がほぼ無効化されました。このように、戦闘機と爆撃機の雨から日本軍が勝つのは非常に難しかったと言えます。その結果、日本軍は「神風特攻隊」と言う形で、片道分の燃料しか積まず、国のために自己を犠牲にすることと引き換えに、自らを爆弾として戦艦に突っ込んでいき、戦艦を壊し敵軍の戦力を大幅に削ろうとしました。これが、弱者が強者(巨大な戦力)に立ち向かう方法でした。最終的には誰もが知っている通り、日本を含めた枢軸国がアメリカなどの連合国に敗戦し、戦争が集結しました。ですが、日本の神風特攻隊によってアメリカ軍が多大な被害を受けたことは事実のようです。これが、戦況で形勢が不利な弱者(武器も人員も十分でない)が強者(武器や人員が上回っている)に勝つことのできる可能性のある戦術なのです。

漁業でのランチェスター戦略

ここでは、ビジネスで考えた場合。漁業を例にして考えていきましょう。2つの異なるタイプの漁船があったとします。A漁船は中型の船舶で、一本釣りを主に行う船で乗組員が3名、最大積載量が10tだとします。一方、B漁船は大型の船舶で、網を使った漁獲法、乗組員が10人、最大積載量が100tだとします。この場合、Aの船より、Bの方が一気に多くの量の魚を捕獲することができます。もちろん大きさと乗組員の書くに比例し、燃料費や人件費も増えますが、Aの船がBの船より10倍多く収穫できる能力があります。そして、多くの魚を市場に得ることができるため、多くのお金を得ることができます。そのためA船がBの船に勝つには、魚の量ではなく魚の質で勝負するしかありません。例えば、マグロの一本釣りをして、魚体に傷付けず、血抜きなどの処理をすることで、一匹あたりの単価が大幅に上がり、さらに一匹を十分にケアすることができるため、魚自体の質も上げることができます。そうすると、売買時の価格を上げることができ、A漁船の量を捕獲する漁業に対抗することができます。小さきものが大きなものに勝つには、質を高め、一点に集中することが大事となります。ここで競合に釣られ、中途半端な戦略で戦うと、十分な結果が出ない可能性が極めてたかい為、自己のビジネスと、競合、マーケットをよく理解し、最適な戦略を用いることが必須です。そのための戦略の一つがこのランチェスター戦略です。

最後に

ランチェスター戦略とは、多量の数的データを分析することで、競合の弱点または焦点を当ててないところを突き、資源の一括投入をして集中的に攻めていく戦術です。自社より大きな競合企業に同じ分野で勝負を仕掛けても人員と資源の無駄遣いになるため。勝つ可能性のある分野を探し、そこのシェアを一気に奪う。そして、その質を高めることに尽力することが必須です。このことに関しては孫子の兵法とつながる点も多くあるので、細かなビジネスでの戦略が気になる方は、「孫子の兵法」のブログも読んでみてください。

Work Cited

https://www.hns.gr.jp/sacred_place/material/reference/03.pdf

https://iwspm2008.files.wordpress.com/2008/09/tfehlmann-lanchestertheory.pdf

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