アメリカに留学していると、いろいろな国の人と話す機会があります。特に、自分は日本人なので同じアジア人は少し気になります。どれくらいの人数がいて、どれほどの英語力なのか。

日本のある機関の調査によると、日本人で英語が話せるのは約30%、そしてその中の15%程しか、自分が伝えたいことをほぼ相手に伝えることができないそうです。一方、韓国では約58%の人が日常的に英語を使い、中国は約10%だそうです。この数値はとても低いですが、人口を加味するとほぼ日本人全員分ぐらいの人が話すことができるというデータです。

中国は経済大国ではありますが、中国全土の様々な状況を考えると先進国とはまだ言えないのではないか、その点日本は文化的・経済的にも先進国と言えるのになぜここまで英語力が低いのか、それは2つあると考えています。1つは、日本の教育のミス、そしてもう一つは日本語がとても高度であるというこの2つではないかと考えます。

一つ目、教育方針のミス。日本人は97%の高校進学率なので、中学・高校の6年をもとに考えていく。ほとんどの学校が約週3時間以上英語を勉強します。おおよそ週3回(1回1時間)*4週間*9ヶ月(夏休み、冬休み、その他の休みを加味して)=108時間*6年間=648                ※これは予想される最低勉強時です。

このようにかなりの時間を英語の勉強に費やしているのです。おそらくこの数値にテストや受験勉強時間を加味すると1,000時間はいくのではないでしょうか。私が英語を学び始めた時、英語学校の所長に言われたことがあります。それは、英語をそれなりにできるようになるのには、最低でも1,000時間は必要、と言っていました。ですがこれは大学で授業を受けたりできる高度なレベルの英語力であり、それ以下である、日常会話などをこなすのであればこの時間の半分ほどあれば可能でしょう。そのため、日本人が外国の観光客に向けた接客、旅行先での英語力という点に絞れば6年間あれば余裕で習得可能である。なんせ日本の教育の基準はテストでいい点数を取れるかというところに重点を置いているため、こういった実用的英語力は無視されるのです。

実際に、私は中高の6年間、そして日本の大学で2年間英語をやってきたがほぼ0に近いほどの英語力でした。もちろん他にはもっと自分よりできている人はいますが、自分の体験からいくと全く外国人と3分も会話を続かせることは不可能でした。なぜなら少しの単語しか知らず、当時は自分が言いたいことを文章にして話すなんて無理でした。

二つ目は、日本語が高度であるということです。これにはいくつかの証拠があり。日本はとても内部で文化がとても発達しているため日本語での文献、言語に関する情報が豊富だということがあります。日本語は平仮名、片仮名、漢字の3種類の文字を組み合わせることによって言葉を作り出します。英語を話すネイティヴは約20,000~35,000単語と言われていますが、一方日本人は50,000語近くを操るそうです。このように日本語が非常に高度に発達しているため、言語としてのレベルが非常に高いのです。海外では大学レベルの専門書を読もうとすると、自国の言語では十分な資料がないため、英語の方が便利だそうです。ほとんどの国では論文を書く場合は英語だそうです。そして高校より上へ上がると全て英語で教科を学ぶか選択できるそうです。現に私のルームメイトのインド人が言うには、彼の国では高校の途中から理数系の教科を学ぶ場合、All in English かそうでないかを選べるそうです。そして、レベルの高い大学ではほぼ全ての授業が英語で開講されているそうです。このように英語に触れる機会がとても多いのです。

日本では高度な論文も日本語で書かれていたり、様々なジャンルの本が豊富にあります。日本人でノーベル学賞を受賞した理論物理学者の益川敏英博士は論文を全て日本語で書いたそうです。彼は英語を全く話せないそうです。もちろん彼の論文が世界に知られたのは論文の英訳版ですが、原本は日本語なのである。彼は『いつか、日本語の自分の論文を世界中の奴らに読ませてやる』と意気込んでいたそうです。このようなことが成せたのは、日本語が言語として成熟しており、十分であった為だと考えられます。

このように、私の主観では日本語の英語力が低いのは上記の2つの要因が関係していると考えますが、中高でせっかく英語を学ぶならば、海外旅行に行ったり、訪日観光客に英語で対応できるくらいの英語力をつけて欲しいと思います。日本語人英語教師の英語力が低いのはもちろんですが、学校の教育ではおそらく今後もこの問題を解決するのは難しいと思うので。話せるようになりたい人は自主的な勉強が必要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です