洗脳といえば、皆さん何を思い浮かべますか?おそらく、宗教、催眠術など人が何か特別な状況に置かれた場合にのみ発生する心理コントロールだと思う人が多いかと思います。ですが、多くの人たちが気づかぬうちに洗脳にかかっている可能性があります。民衆を洗脳する場合に必要なことは、「情報のコントロール」、「インフルエンサーによる影響」、「敵を作る」の3つだと考えています。そして、民衆のコントロールに持っても適しているものが日々我々が使っているソーシャルメディア(Twitter, Instagram, Facebook, YouTubeなど)です。これらは、私たちの生活を飛躍的に向上する反面、大きな影響力を持っており、現在の私たちの社会では、これらを上手く活用したものこそ、民衆を自由に動かし大きな利益を得ることができます。今回は民衆を洗脳する方法について、上記で述べた3点「情報のコントロール」「インフルエンサーによる影響」「敵を作る」に絞って書いていきたいと思います。
情報のコントロール- Old Media編
これは民衆をコントロールする上で最も必要不可欠なことです。情報を絞り、民衆を動かしたい側の情報を流すのです。例えば現在では中国、ロシアなどが国家単位での情報統制をしていますが、情報統制をしていない国でも、偏った情報。特にネガティブイメージを先行させて報道することにより、民衆を動かすことができます。民衆は”恐怖”によって最も動きやすいのです。インターネットが現在のように広まる前、人々の情報源は、テレビ・ラジオ・新聞でした。そして多くの人がその情報源を信頼していました。なぜならそれらから得られる情報について裏を取ることはかなり難しいです。そのため、メディアが民衆に不安を煽れば人々は簡単に動きます。例えば、1973年に起きた第4次中東戦争により、原油の輸入に影響が出るかもしれないとなり、一部の地域で起こった「トイレットペーパーがなくなるかもしれない」という動きにマスコミがさらに火を焚きつけ、全国的に報道されることにより民衆に広まり、本来は問題なくても他の人が買えばなくなるかもしれないという”大衆心理”により、多くの人が踊らされました。さらにもう一つ挙げるならば、1997年に経営破綻し、倒産した北海道拓殖銀行です。もちろん内部の経営が非常に悪かったということが大きな要因ですが、それに加え銀行に預け入れをしていた預金者たちが一斉に資金を引き出したり、メディアなどが過剰に不安を煽ったことにより、民衆のコントロールが利かなくなり、倒産に至りました。一番大きな問題は内部で経営が上手くいかず不良債権が膨れ上がったことにありますが、メディアの反応がなければ状況はまた違ったことになっていたかもしれません。一般人はニュースの裏を取るのは非常に難しいです、そしてメディアを盲目的に信じてしまいます。このようにネガティブ情報は非常に簡単に広まり、多くの人が動くのです。
情報のコントロール- New Media編
ここでいうNew MediaとはTwitter, Facebook, Instagram, YouTubeなどの、タイムリーかつ誰もがアクセスすることができるいわばソーシャルメディアのことを指します。このメディアの特徴は、アカウントを持っている人ならば、いつどこでも情報を共通できることにあります。オールドメディアでは発信側になるには非常にお金がかかり、既に権力を持っているものが強い、「既得権益」の世界です。対してNew Mediaとは誰もが自由に情報を発信できるます。ですが一方で正確ではない情報も非常に多く含まれています。ですが、正確かつ証拠に基づく一次情報を受け取ることもできます。メリットしては、何か問題が起こってもタイムリーに何があったのか知ることができます。そしてオールドメディアを通さない偏向していない情報を受信送信できることが良い点です。デメリットである不正確な情報が散在し、情報の取捨選択が難しいという点をクリアすれば、非常に優れたメディアです。オールドメディアの解説でも述べた通り、情報統制さらに間違った情報を流すことで大衆を簡単に騙すことができます。オールドメディアでは有名新聞社、テレビ会社が大きな権力と影響力を持っているのに対し、ソーシャルメディアではインフルエンサーと呼ばれる、フォロワー数の多い人たちが大きな影響力を持っています。そして、彼/彼女らを盲目的に信じるフォロワーたちが、異なる意見を持つ人たちを集中攻撃したり、誤った情報の拡散をしている現状です。そのため、ソーシャルメディアの世界ではインフルエンサーこそが民衆を簡単にコントロールする力を持ち、さらにネガティブな発信で民衆を煽ることで、多くの人が反応し、市場が動揺します。オールドメディアに対しいとも簡単に民衆をコントロールできます。そして、多くの人は洗脳されているとも思わずに洗脳されてしまっています。これはいわば宗教のようなもので、ファン同士の結束力を高めるという点から様々なソーシャルメディアをクロスして使うことにより、さらに民衆を見方につけます。現在ではインフルエンサーたちは何個かのソーシャルメディアを同時に使うことで彼/彼女たちの力を最大限に向上させています。例えば、YouTubeで有名になった人はTwitter, Instagramも同時に使い、さらにオンラインサロンで会員制のメンバーを集め、言い方は悪いかもしれませんが信者の結束を高めています。このお金を払って情報、場所を買っているという行為から、発信者の情報を盲目的に信頼してしまっています。現代では彼/彼女たちインフルエンサーの発信こそ社会に大きな影響力を持っています。
インフルエンサーによる影響- Influencer Worship.
現在の社会ではソーシャルメディアのインフルエンサーは非常に大きな力を持っています。そして、様々なソーシャルメディアを同時に使うことで、彼/彼女らの影響力を最大化できます。例えば、Twitter, YouTubeをやっていて、何十〜何百万のフォロワーがいるとします。そして、今流行のオンラインサロンをやることで、強固な地盤を作ることができます。Twitter, Instagram, Facebook, YouTubeの無料フォロワーより、オンラインサロンなどにお金を払って加入するという事で、非常に高い信頼性を寄せているということがわかります。さらに、もしサロンのオーナーが叩かれている場合=自分も叩かれているという認識にもなるので、余計マイナス意見に敏感になります。Worshipという英単語は”崇拝”という意味ですが、これは宗教的な文章の場合に使われる英語です。このソーシャルメディア上のインフルエンサーはいわば教祖に近いほどの影響力を持っています。もちろん、多くのインフルエンサーが宗教を持っているわけではないですが、条件的には宗教のような仕組みが自然と形成されています。
敵を作る- Make Enemies
ネガティブな情報を流すということに極めて似ているのですが、共通の敵を作るというのが最も簡単に強固な絆を作る場合に非常に効果的な方法です。人はネガティブなことには最も食いつきやすいというのは、情報のコントロールの文章で述べましたが、これは心理学的にも証明されていることで、人は「仮想敵」を作ることで、同じ目標に向けて力を合わせることがあります。そして、ここで設定する敵は多くの人に共通すればするほど、多くの賛同者(信者)を集めることができます。これは、バーナム効果と言い、よく占い師などが使う手法で、誰にでも当てはまる曖昧なことを相手にいう事で信頼してもらうという事です。このバーナム効果と仮想敵を作るということを組み合わせることで、賛同者たちの絆をさらに高めるという方法です。例えば、多くの人が日本の政治・将来に少なからずなんらかの不満を持っていると思いますが、この場合にインフルエンサーが政府やその対応を例に出して叩くまたは不満を言うとします。そうすると、自分も不満を持っているさらにはそのインフルエンサーのサポーターである人たちが情報を一気に広めることにより、多くの人の目に触れることになり、そのインフルエンサーは自分の味方だ、敵は政府だとなり、簡単に団結することができます。このように、仮想敵を作利、さらにインフルエンサーがそれを発信することにより、多くの人の賛同を得られ簡単に大衆を見方にすることができます。さらに、その強固なサポーターたちは、誰かがそれに反対の意見を言うと、みんなで袋叩きにします。ソーシャルメディア上なので、現実で叩いているわけではないですが、仮想空間での集団リンチのようなことが頻繁に起こっています。これが敵を作ることでその集団の絆を強固にし、宗教的な域にまで達してしまいます。
最後に
今回は、ソーシャルメディアがいかに民衆をコントロールするために適したツールであるということ、そして多くの人々は知らず知らずのうちにその洗脳にかかっている場合が多いということです。例えば、いいねやリツイートなどの誰かの意見をシェアしたり拡散したりする行為が手軽にできるということで、簡単に早く情報を拡散でき、サポーターを獲得しやすいです。ソーシャルメディアを日常的に使っている皆さんは間違った情報に踊らされずに、自分意思を持って情報を取捨選択していきましょう。