よくクリエイティブに働くとか社会で言われたりしますが、Creative(創造性)とは一体何なのでしょうか。これは、世の中にないものを生み出したり、今あるものを組み合わせて新たなものを想像すると言ったことです。新たなものや新たなストーリーを生み出すことはクリエイティブなことなのです。残念ながら、平均的な能力の向上が好まれる日本社会・教育ではなかなか創造性が発揮しづらい世の中となっています。なぜなら、創造性とは天才が持っている先天的な能力だけでなく、日々のトレーニングにより後天的にも身につけることができるのです。
Steve Jobs- Apple創業者のスティーブ・ジョブズ
iPhone生みの親で、類まれなる創造性を持ち合わせた人物。彼のストーリから私が伝えたいことは、創造性の発揮と点と点を結ぶ能力についてです。彼は、既に存在していた携帯電話を新たな次元へと昇華させた人物です。Appleそして彼の発明により、私たち人間の生活は大きく進歩しました。携帯電話は談話するだけのツールではなく、情報を調べたり、ゲームをしたり、動画を見たり、会計をしたりなど様々なことが手先でできる便利ツールなのです。彼の創造性とは点と点をつなげる能力、そしてデザインのセンスに長けていたということです。まず、点と点を繋げる能力についてですが、これは現在私たちがパソコンで文字を打つ時に選べるフォントの種類にあります。彼はリード大学在学中にカリグラフィ(フォントの授業)を履修していました。ですが、当時彼はただこの授業に興味があっただけで、将来に役立つと思って取ったわけではありません。ですが、数年後にAppleが新しいコンピュータを開発した際に、パソコンのフォントを様々な種類から選べるようにしたのです。これがMicrosoftのWordへも反映されています。この出来事がまさに点と点を繋げる創造性なのです。今現在私たちが学んでいること、やっていることが将来生きるかはわかりません。ですが時間が経った時、過去を振り返り、自分がやってきたこと学んできたとことで何か生かせることはないないだろうかと考えることはかなり重要です。次は、デザインのセンスです。これも創造性の一つで、たくさんの人が美しいと思うものを生み出せるということはかなり素晴らしい能力です。iPhoneはプロダクトとして完成されており、エレガントなデザインであったからここまで世界にAppleの製品が広まったと考えています。もし、ボタンがついていたり、スタイラスを使うようなデザインであったならここまで広がってはいなかったでしょう。こればっかりはたらればとなるので、後から言うことは何とでもできますが、時代の先端をいく、優れたデザインであったからここまで広まったのだと思います。https://youtu.be/UF8uR6Z6KLc(Stanford University卒業セレモニーでのスピーチ:点と点をつなぐ話)
J.K. Rolling-ハリーポッターの作者
日本人ならハリー・ポッターを好きな人はかなり多いでしょう。彼女のストーリーから私が伝えたいことは、創造性と自分のことを信じる力です。彼女はハリー・ポッターのアイデアを思いつき、原稿に起こしたが12社の出版社には断られてしまいました。新しい本のアイデアと言うのは確実に創造性が必要だと言えるでしょう。なぜなら、今まであるものではなくオリジナルのストーリーを生み出す必要があります。オリジナルのストーリーでも、面白くなければ読者は集まりませんし、無駄な努力で終わってしまいます。新たなストーリーを書くなどと言う創造性は後天的に得ることができます。これはとにかくたくさんの作品に触れ、実際に何十本、何百本も書いてみると言うことです。このような能力は、小さい頃からトレーニングすることで自然と身につきます。もちろんそれが大きな成功につながるかどうかと言う点では確証はできません。次に、自分のことを信じ抜く能力です、これは創造性と同じく大事な要素です。どんなに創造性に溢れた素晴らしいものや作品を作っても、自分が売れる、自分の商品は素晴らしいと思っていなければ、プレゼンはできません。なので自分の能力を信じる力は大事です。上記でも触れましたが、彼女はハリー・ポッターを書き上げてから、12社の出版社から断られています。ですが彼女は自分の作品が優れていると信じ、諦めませんでした。その結果13社目でブルームズベリー出版社から本を出版することができたのです。その後の成功はみなさんが知る通りです。https://youtu.be/UibfDUPJAEU(J.K. RollingのHarverd University卒業セレモニーでのスピーチ)
アメリカ式教育での創造性とは
私がアメリカに来たばかりの頃の英語の授業で、よくCreative Thinkingと言う単語が頻繁に使われていました。日本語に直訳すれば、創造的思考と言いますが、ここで先生が言いたかったのはCreative Thinkingに付随する様々な思考のことです。例えばProblem Solving, Open-minded, Analytical, Communication,そしてOrganizationなどのスキルです。まず、Problem solvingとは問題解決能力のことで、重要な問題を解決できる能力です。次にOpen-mindedとは誰もが以前に考えたことのないアイディアを生み出す力です。そしてAnalyticalとは物事を異なる点から分析し、物事をより簡単にしていくと言うことです。最後にOrganizationとは、ゴールや目標にむけた適切な戦略・計画を立てる能力のことです。このように、新たなものを生み出すと言うことだけがCreative Thinkingではないのです。これらの能力を複合的に合わせたものがCreative Thinkingなのです。
アメリカで教わる創造性の身につけ方
アメリカの英語の授業ではCreative Thinking 能力を身につけるため、様々なオリジナルな物語を作る訓練を何度もしました。例えば、ランダムで異なる単語を3つ選び、それをもとに200文字以内で完結する物語を考えるなどと言った訓練を何度も行いました。さらにSMARTと言うゴール設定方法も学びました。これは5つの英単語の頭文字を取って付けられたゴール設定方法です。Specific Measurable Attainable Relevant Time-based(S:詳細M:計測可能A:達成可能R:適切なT:時間軸のある)と言う意味です。このように、目標を立てるときは、より詳しく、計測可能かつ適切で達成可能であるべきであるという考えです。さらに期限を設定し検証可能にする必要もあります。このようにアメリカの教育では、小さい頃からこのような訓練をしていると先生が言っていたため、想像力のある人間に育つのだなと考えました。さらに、日本ではどれか一つの能力が秀でているより、平均の方が優れているという考えですが、アメリカではその逆で、どれかできない教科があっても他に何かずば抜けてできる教科があればそれを応援し、サポートするという体制があるそうです。例えば、文学に全く興味もなく点数がかなり悪い、だが数学は同じ学年より何学年も上の問題ができるくらい優れている。このような場合、将来的に文学を捨て、数学に集中できる環境を用意するのがアメリカの教育です。そのため社会を大きく変革する尖った人材が多く排出されるのです。例えば、マーク・ザッカーバーグ、ラリー・ペイジなど何か秀でたものを持っている人が人々の生活を大きく変える発明をするのです。
天才画家やアーティストなどは、持って生まれたものだと思う人も多いでしょう。確かに、凡人が戦って太刀打ちできる人間でない場合もあります。ですが、その人たちも陰で並々ならぬ努力をしている訳で、必ずしも才能がないからと言って諦める理由にはならないのです。
このように、創造性は後天的に身につけることもトレーニング次第では可能です。ですが、そのためには、社会全体としての他人を否定しない温かい目が必要なのです。決して日本の社会構造を否定しているのではなく、現時点で世界の覇権を握っているアメリカに勝ち、日本が世界と戦えるようになるためには高度な人材の育成が急務なため、今後日本の教育現場でも創造力が重視され、それを伸ばすための教育がされていけばきっと日本が再び経済大国へとなることは可能でしょう。