推理小説で最も有名な探偵といえば、コナン・ドイルが書いたSherlock Holmesシリーズではないでしょうか、類稀なる推理力と記憶の宮殿と呼ばれる特別な記憶術を使い様々な事件を解決へと導く非常に人気の高い探偵の一人です。今回はマリア・コニコヴァ著「シャーロック・ホームズの思考術」という本をもとに、主人公であるSherlock Holmesの思考法について書いていきたいと思います。推理力は探偵のみならず、ビジネスでその能力を発揮することで様々なメリットがります。例えば、営業をしている人はお客さんを観察し会話のきっかけを作る。昇段での相手の仕草などから真意を読み取る。はたまた恋愛でも、相手との共通点を見つけ、会話を円滑に進めることができるなど。シャーロック・ホームズの思考法は様々な分野で役に立ちます。

「君はアフガニスタン帰りの軍医だね。」シャーロック・ホームズは軍医でアフガニスタン帰りのワトソンと初対面の時にこう言いました。彼はワトソンにそこで初めて会ったにも関わらず。なぜシャーロックはここでワトソンの仕事を言い当てることができたのでしょうか。彼はのちにこう言っていました。僕が言い当てた推理は全てが観察によるものなのだよ。このように、シャーロックは細部を観察することにより、他の人があまり気づきもしない点に気づくことができ、他人を驚かせることができたのです。

まず初めに、シャーロック・ホームズとはコナン・ドイルが書いた推理小説に出てくる主人公で顧問探偵のシャーロック・ホームズと彼の相棒で医者であるジョン・ワトスンの物語です。シャーロックの人気は非常に高く、シャーロキアンと言う彼の熱心なファンがイギリスを中心に世界中にいます。筆者である私自身もシャーロック・ホームズのファンの一人です。今回はそんなシャーロック・ホームズが事件の際や人を分析する際に用いている推理方法について書いていきたいと思います。

自分を理解する- 科学的思考法

見ることと観察することの違い

ただ、物事を習慣的に見るのと、観察し理解することは似ているようで大きく違う。脳の処理をする段階で、何も考えずに映像としてみている場合はもちろん脳に”重要な記憶”としては保存されない。一方、何度も繰り返し覚えたり、重要なこととして記憶した場合は、脳に鮮明に記憶される。脳には優先順位の高いものから鮮明に記憶されている、そしてそれらは様々な記憶・感覚と結びついている。例えば、味覚と記憶、臭覚と記憶などは密接に関わっている。ここから先は脳科学の分野であるが、5感と記憶は密接に関係しています。道ですれ違った人からほんのり香った臭いから、遠い昔の記憶やある人物を鮮明に思い出すことがあると思いますが、これが記憶と臭覚の関わりです。このように、脳の記憶回路には様々な組み合わせにより過去何十年にも渡って蓄積した記憶が呼び起こされます。シャーロック・ホームズやThe Silence of the Lambsのなかの天才殺人鬼ハンニバル・レクターは、”記憶の宮殿”(Mind Palace)という記憶術を使い、常人より遥かに詳細かつ、膨大なデータ・記憶を瞬時に呼び起こすことができます。

記憶の宮殿- Mind Palace

これは上記に述べた特殊な記憶術ですが、この方法は膨大なデータや出来事を覚える際に”最も簡単”かつ”早く”物事を記憶できる方法です。トニー・ブザンというマインドマップという独自の記憶鍛錬法の考案者と同じような方法を使い自身の記憶容量の増強、そして早く覚えるということに重きを置いた方法です。例えば、文字を記号や絵と結びつけて覚えることで、簡単に記憶するということです。この方法について気になる方は、トニー・ブザンの本、または記憶の宮殿について解説しているYouTubeを視聴してみてください。

事実に基づく推論

ホームズは当てずっぽうで推論を言うのを好みません。証拠が不十分の段階でそれまでに揃っている事実から導き出せる仮定を他人に話すことは本の中ではありません。いくらホームズの頭の中で推理ができていてもその確証がなければ他人に話したりすることはまずないのです。相棒のワトスンにでさえ途中経過の推理を話そうとはしません。彼が推理を他人に話す時は、証拠が確実に見つかり、そして推理の筋が通った完全なものになった時のみです。ホームズは本の中でこんなことを言っています。「それがどんなにあり得ないことだったとしても、無数にある不可能を除外していって最後に残ったものは真実でなければならない」これはどんな状況でも言えることでしょう。もし説明困難なことだったとしても、考えられる全ての可能性を消していって、最後に残ったものは真実になります。逆に言うと、事実を導くためには考えられる様々な可能性を検討する必要があるということです。その結果導き出されたものが真実となります。

シャーロック・ホームズの思考法

ホームズは常に周りや人間を瞬時に観察しています。ですが、それは彼が日々観察を行っている証拠であり、決して見ていることとは異なります。皆さんは見ているだけで観察していないのではないでしょうか。観察することによって初対面であってもある程度相手の趣味や職業を当てる事ができるかもしれません。例えば、ゴルフをしている人は片手だけ異様にもう片方の手よりも日焼けしていたりする可能性が非常に高いです。なぜなら、ゴルフをプレーする場合は基本的に片手にのみグローブをします。その結果、片手だけ日焼けをしてしまいます。さらに、日常的にゴルフをする人は収入が高かったり、ゴルフに行く事ができる時間的余裕がある場合が多いです。そのため、ある程度会社での地位が高い事が多いなど観察する事により得られる情報は多いです。また、スーツの場合ネクタイやバッジなどからある程度企業を推測することも可能です。例えば、会社のコーポレートカラーがあある場合、他社のカラーのネクタイを身に付けることはあまりありません。そのため、観察から得られた情報または会話によって得られた情報を急に出すと、相手を驚かせる事ができるかもしれません。これがホームズが言う、観察から得られる推理なのです。是非皆さんもホームズのように、”観察”を上手く使って人間関係を優位に進めてみてください。そして、この本を気になった方は是非読んでみてください。最後まで読んでいただきありがとうございます。

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